小児ぜんそくは子供のうちに治しましょう!
ぜんそくとは、空気の通り道になっている気道が炎症を起こすことで狭くなり、咳こんだり、息が苦しくなってしまう発作性の呼吸困難のことです。
ぜんそくは、年々増加傾向にあり、小児喘息の有病率は約 7%、成人喘息は 4%と推察され、日本で400~500万人に達していると考えられ、この30年で、約3倍に増加したともいわれる国民病のひとつです。
呼吸機能は起床後徐々に高まり、夕方から明け方にかけて低下するので、ぜんそくの発作は夕方から明け方にかけて起こる場合が多いです。また、夜の発作は悪化しやすい傾向があります。
「ゼーゼー」「ヒューヒュー」と苦しそうに呼吸をしていませんか?
横になるとさらに苦しそうに呼吸をしていませんか?
このような状態であれば、ぜんそくの発作が出ている合図です。
横になって寝てしまうと呼吸はさらに苦しくなるので、座った状態で肩やからだ全体で息をするようになります。
赤ちゃんは自分で息苦しさを訴えませんので、呼吸のサインを大人が見落とさないよう注意してください。
小児ぜんそくの原因
小児ぜんそくの原因はアレルギーによるものがほとんどです。ハウスダストやカビ、ダニ、花粉、食べ物、ペットの毛などに反応します。
その他、季節や天候の変わり目、冷たい空気、大気汚染、タバコの煙、ストレス、なども発作の引き金になります。
発症は1~2歳が多く、小学校入学までに発症する人が大半。症状が落ち着くまで平均10年、7割の人が成人までに症状がなくなります。
かぜをひくと発作を起こしやすくなるので、冬場はかぜ予防を心がけましょう。
ぜんそく患者の気道(気管・気管支など)は、常にアレルギー性の炎症を起こしているため表面の粘膜がはがれ落ちて神経がむきだしになり、敏感になっています。そのためダニやかぜ、気温気圧の変化などさまざまな原因に気道が反応し発作が起きます。
発作が起きると気管支の筋肉が縮み粘膜がはれて気道が狭まります。また、粘膜がいっそうはげ落ちて神経が刺激され炎症が強まり、「発作が発作を呼ぶ」悪循環に陥ります。
炎症が長期間続くと気管支が硬くなって気道が狭まり、戻らなくなります。ぜんそくが治っても呼吸機能が低い大人になってしまいます。
アトピー型ぜんそく、非アトピー型ぜんそくの関係と原因
アトピー型 | ハウスダスト、ダニ、動物の皮屑、カビ、花粉など |
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非アトピー型 | ウイルス感染、大気汚染、喫煙、薬剤、運動、天候、情動、アルコールなど |
アトピー型と非アトピー型の比較
アトピー型 | 非アトピー型 | |
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発症年齢 | 小児~思春期が多い | 成人後が多い |
症状 | 発作性が多い | 慢性型,重症が多い |
増悪する季節 | (春、秋)が多い | 通年性が多い(一部冬) |
特異的IgE抗体皮膚テスト | 陽性 | 陰性 |
他のアレルギー疾患 家族歴 |
あり、またはなし | なし |
鼻茸,アスピリンぜんそく | 関連性少ない | 関連することあり |
臨床症状に基づく小児ぜんそくの重症度分類
間欠型 |
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軽症持続型 |
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中等症持続型 |
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重症持続型1 |
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重症持続型2 |
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小児気管支喘息治療・管理ガイドライン2017
小児ぜんそくの治療
病院では、狭くなっている気管支を広げる気管支拡張剤や抗炎症剤(ステロイド)が処方されます。しかし、長く使うと依存性が出てきますので、あまりすすめられません。
ぜんそくの治療は発作を治める治療より、発作が出ないよう予防の治療がとても大切です。
そこで、小児はりはぜんそく予防にとても効果的です。
胸や背中などある、呼吸器に関するツボに小児はりで刺激をします。治療をすることで、発作が起こりにくい体質に変わっていきます。
治療中発作が出ていても、次第にぜんそく発作が治まります。また、治療を続けることで発作の頻度がぐんと減りますので、当院には日頃から健康な体作りのために小児はりをしている子供さんが多くいらっしゃいます。
治療以外にも、予防として生活環境を整えることも大切です。ぜんそくの原因になっているものを取り除き、日頃から外の空気を吸わせてください。
また、適度に運動をし、少しずつ体を鍛えるようにしましょう。
小児鍼について
小児鍼とは
小児鍼とは、子供の病気を治療するための鍼治療です。
子供用の鍼は、皮膚をつついたりする刺さない鍼です。
子供は大人と違い感受性が豊かです。そのため、ちょっとしたことで病気になる反面、軽く皮ふに刺激をするだけで十分な効果が現れます。
小児鍼をしている時は、くすぐったくて笑っているお子さんばかり。治療中や治療後の帰路で寝てしまう子もいるくらいです。
小児鍼といってもお灸をする場合もあります。
もちろん、子供でも大丈夫な熱くない、嫌がらないお灸です。